『東京物語』を見ました

小津安二郎監督『東京物語』(1953年)を見ました。

2012年には英国映画協会が発行している「サイト・アンド・サウンド」誌にて、世界の映画監督358人が投票で決める最も優れた映画に、この『東京物語』が選ばれたそうです。

1953年に制作された映画が、2012年に世界一の映画となったのです。 六十年の時を経て世界中から評価されるなんてすごいですね!

私が生まれるよりも前の作品なので、これまで全く知りませんでした。 Actors’s Rings SYMBIONの主催である樋口氏の「これは見ておくべき映画」で紹介されていたことで初めて知り、ムービーコースで学んでいることもあり、今回見ることにしました。

 

ウィキペディアにあらすじが掲載されているのですが、ネタバレになってしまいますのでご注意を。

広島県尾道に住む老夫婦、東山周吉・とみが東京の息子や娘たちを訪ねて上京。 しかし息子や娘はかまってやれない。 そんな中での周吉・とみの東京での数日間とそれぞれの息子・娘たちとの関わりを描いた映画です。

特に印象に残ったのが、笠智衆さん演じる周吉。 セリフの半分くらいは「あぁ」。

とにかく「あぁ」が多い。 それでいて全ての「あぁ」が成立しているんです。

何より心に残ったのが東山千栄子さん演じるとみとの熱海でのシーン。

海を眺めていた周吉が一言。 周吉「そろそろ帰ろうか」 とみ「お父さん、もう帰りたいんじゃないですか?」

たったこれだけの会話の中に、二人が過ごした何十年やそれぞれ家庭を持った子供たちへの想い、自分たちに訪れる未来などあまりにもたくさんのことが詰まっていて、感極まってしまいました。

小津さんは現場で「反応していますか」とよく口にされていたそうです。

台本に書かれたセリフをただ口にするのでなはなくて、 監督やディレクターからの演出にただ従うのではなくて、 大切なことは相手と、自分と相手の間に生まれる空気に反応すること。

その結果として、たった一言のセリフなのに人物の人生が詰まった一言になるんでしょうね。

たくさんの学びと気づきをもらいました。

皆さんもぜひご覧ください。

 

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