Eテレ スーパープレゼンテーション「15歳の少年」
ご存じの方も多いと思います。
Eテレの「スーパープレゼンテーション」という番組。
TEDカンファレンスの模様を伝えてくれる、人気の番組です。
録りためていたものを見ていたのですが、今回のプレゼンは今まで以上の衝撃を受けました。
(今回の内容は10月にオンエアされたものですが…)
今回、TEDの舞台に登場するのはなんと弱冠15歳の少年。
彼はこれまでになかった新しい方法を開発しました。
それは「膵臓癌の新しい検査方法」です。
彼が開発した方法を使うと、従来の検査方法と比較して、費用は26000分の1、速さは186倍、感度400倍以上、そして精度はほぼ100%。
さらに応用すれば他の病気の検査にも使えるとのことで、様々な方面から注目されているそうです。
さて、一体どうやって15歳の少年が新しい方法を思いつくに至ったのでしょうか?
舞台に立った彼から、そのエピソードが語られます。
ある時、彼の親戚が病気で亡くなったそうです。
病名は「膵臓ガン」。
彼はそのとき初めてその名を知ったそうです。
一体どんな病気なんだろうと興味を持ち、インターネットで調べていくうちに現状が分かりました。
年間たくさんの方がなくなっていること、検査するには高額の費用が必要、検査をする事ができてもほとんどが後期…
「何とかできないのかな…。もう周りの人が亡くなったり悲しむ人を見たくない」
彼は膵臓ガンについて調べました。
インターネット上に公開されている文献や統計情報をたくさん読んだそうです。
独自の研究の結果、「メソラリン」という物質を調べることで膵臓がんかどうかを判定できるという仮説に至りました。
ではメソラリンをどうやって抽出するか?
たまたま学校の生物の授業中に読んでいた雑誌に書かれていた「カーボンナノチューブ」と、授業の内容で触れていた「抗体」が使えるとひらめいたそう。
このアイディアを実行に移すため、研究者200人にメールを送りましたがほとんどが却下。
しかしたった一人だけ手をさしのべてくれました。
研究を進めていく中で、自分の仮説の間違いに気づき修正。
試行錯誤を経てついに完成したのがその新しい検査方法、というわけです。
「インターネットが可能にしてくれた。」
「ネットでは自分のアイディアだけがものを言う」
堂々たるスピーチの最後に、彼はこう言って締めました。
「膵臓がんが何か知らなかった15歳の子供が、膵臓がんの新検査方法を発見。
じゃあ、あなたは何ができる?」
15歳の少年の一言に衝撃を受けた瞬間でした。